ワインツーリズムの企画・プロデュースの要点まとめてみました。

2008年11月8日に山梨県甲州市勝沼で実施した
「ワインツーリズム2008」を企画、プロデュースしました。
このイベントについてよく聞かれるので
企画・プロデュースの要点をかいつまんでまとめてみました。
ここでは詳細説明ではなく、
「何を考慮して企画を立て」
「何を大切に思いながらプロデュースしたか」
を述べておきます。

今回一番聞かれるのは、なぜ「あんな企画」がでたのかとよく言われます。
「あんな企画」と言われるのは参加者に対して
「至らず尽くさず」を突き通したからです。

実行委員をはじめ地元の人たちからも、
「こんな企画で大丈夫なのか?」と最初は理解を得られませんでした。
なぜならばあまりにも「外から何ももってこず、普段通りだった」からです。
「こんなので人を呼んでもいいのか?」が正直な感想だったと思います。

普通イベントと言えば、
どんなお客さまが来てもすぐわかることが重要視されます。
結果「わかりやすい」を判断基準にイベントを構成することが多く行われます。

具体的には、
どこかのひとつの場所に人を集めて、挨拶があって、
有名人が来て、説明がなくても楽しめて、
何から何まで至れり尽くせりで、
最後に何人集まったかが重要というイベントです。
でもこれでは、
「なにが本当の目的かが伝わってこない」と思いませんか?

「わかりやすい」ということが、
本当にお客さまや地域にとって「一番伝えたいこと」なのでしょうか?

「一番伝えたいこと」はなんだろう?
そこから考えたからこそ「ワインツーリズム2008」では、
かたくなに「理想の産地」を追い求めました。

前職で多くの企業との現場で培われた
大きくモノを見るプロデューサーとしての視点。
自分でお金を借りて日々商いをしているからこそ気がつく商売人としての視点。

「理想の産地」を追い求めながら、
自分が実際に経験して感じたことを
まっすぐに盛り込みシンプルに構成しました。
ゆくゆくはイベントでなく、本当に産地の日常になってほしいからこそ、
難しくなくシンプルに、地域の理解を得られるように考えました。

特に注意したことは、
地域に還元されないイベントはやるべきではないということ。
地域の人やお店や歴史といった「産地の日常」が、
ないがしろにされるようなイベントはやるべきではないということ。

だからこそ「産地の日常」を讃えようと、
産地で黙々と取り組んでいた
朝市の人たちにメイン会場をやってもらいました。
フットパスという街歩きをしている人たちにコースをつくってもらいました。
さらに地域の史跡をまわるツアーをやってもらいました。
普段山梨のワインを盛り上げている人たちに
オプッションツアーをやってもらいました。

彼らの力を信じているからこそ安心してまかせられました。
結果、産地の日々の力があがり
「理想の産地」に近づいていくだろうと考えました。
彼らを表舞台にたたせることこそが、
本当の意味での地域の活性化だと思ったからです。

当日一番心配したのは、
ワイナリーでお客さまがワインを買ってくれるだろうかということ。
飲食店など周辺のお店にお客さまが入ってくれるだろうかということ。
やはり、地域にお金が落ちなければ
「ワインツーリズム2008はよかったね」と言ってもらえません。
どんなきれいごとを言っても地域の活性化に必要なのは現金が落ちることです。
楽しんでお金を地域に巡らせるという成功体験です。

「至らず尽くさず」
聞こえは悪いですが、それでも全国から集まってくれる人たちこそが、
これからの地域の活性化には絶対必要な大切な人たちです。
彼らに支えられて、この地域は成り立っています。

失敗を恐れてはいけません。苦労も避けてはいけません。
まわりからの理解なんてあとでされれば上出来です。

一歩一歩ではあるけれどもこうして産地は形成されていくと信じています。
なぜなら、参加してくれた人のほとんどがこれからも応援してくれるからです。
3年やれば地域に浸透しはじめるのではないかと思っています。
そこからが本当に地域に根ざした
「理想の産地」への取り組みのスタートだと思います。
さあ、今年も頑張ろう。

 

セツゲツカLtd. 大木貴之